「高度専門士」とは、修業年限が4年以上の専修学校専門課程(専門学校)を卒業した者に与えられる称号で、日本国内では大学卒業の「学士」と同等と認められています。
ここでは、高度専門士について詳しく解説します。
高度専門士とは
高度専門士について解説をする前に、まずは学位・称号について説明します。
内閣府の規定によると、「学位」とは国際的通用性のある大学・大学院教育の課程を修了した知識・能力の証明として、大学が授与するもの、「称号」とは特定の学校を卒業したことについて、公に一定の価値・栄誉があるものとして本人が称することのできるもの、とされています。
国際的な通用性の有無によって学位か称号が分けられています。
学位には「博士」「修士」「学士」「短期大学士」などが、称号には「高度専門士」「専門士」「準学士」などが含まれます。
学位 | 称号 |
博士(大学院) 修士(大学院) 学士(大学) 短期大学士(短期大学)など | 高度専門士(専修学校) 専門士(専修学校) 準学士(高等専門学校)など |
高度専門士は上記の学位の中の「学士」と同等であると国によって認められた称号です。
高度専門士の称号を得るには?
学士は大学を卒業することで得ることができますが、高度専門士はどこの専門学校でも得られるというものではありません。
高度専門士の称号は一定の要件を満たした専門学校を卒業することで得ることができます。
一定の要件とは以下の通りです。
1.修業年限が4年以上
2.総授業時数が3,400単位時間(124単位)以上
3.体系的に教育課程が編成されていること
4.試験等により成績評価を行い、その評価に基づいて課程修了の認定を行っていること
2022年10月現在、埼玉県内のIT・WEB分野の専門学校で高度専門士が得られる学校はありません。
さいたまIT・WEB専門学校は埼玉県内唯一で高度専門士の称号が得られるIT・WEB分野の専門学校として、2023年4月に埼玉・大宮に開校します。
高度専門士のメリット
高度専門士のメリットの一つが、大学院への進学です。
通常2年制・3年制の専門学校を卒業者が大学院に進学する場合、大学に編入学して学士を取得してから大学院に進むことになります。
しかし、大学卒業と同等と認められた高度専門士の称号を得ていれば、直接大学院に進むことが可能です。
専門学校卒業後にさらに学びを深めていきたい人には魅力的なメリットだと言えます。
高度専門士と学士の違い
上で説明した通り、高度専門士は大学院に進学できるなど、学士と同等であると国が認めた称号ですが、実際には高度専門士と学士にはどのような違いがあるのでしょうか?
学士(大学)
学士が得られる大学は、幅広い知識を研究に繋げる教育機関です。
大学は「学術の中心として深く真理を探求し専門の学芸を教授研究することを本質とするもの」と定義されています。専攻する学部の学び以外にも、一般教養などさまざまな授業を受講し、幅広い知識を得ることで、専門分野の研究に活かします。
高度専門士(専門学校)
一方、高度専門士が得られる専門学校は、目指す職業に直結した学びができることが最大の魅力です。
専門学校は実践的な職業教育、専門的な技術教育を行う教育機関として、多岐に渡る分野でスペシャリストを育成しています。IT・WEB業界など、目指す職業に必要な実践的な技能を身につけることができます。
同等と認められる高度専門士と学士ですが、それぞれの学位・称号を得るための学び方は異なります。
学問を突き詰めたいのであれば学士を得られる大学へ、実践力を突き詰めたいのであれば高度専門士を得られる専門学校を選択すると良いでしょう。
高度専門士の就職
高度専門士を取得して(もしくは取得予定で)就職活動をする場合、大学卒業と同じように扱われるのでしょうか?
残念ながら、高度専門士はまだそれほど世の中に認知されていないのが現状です。国が大学卒業と同等と認めているとはいえ、実際には専門学校卒業として扱われることが多いでしょう。
しかし、IT・WEB業界の就職においては状況が少し異なります。
先進的なIT企業では、大学卒や専門学校卒のように学校の種類で採用活動をするのではなく、「4年制卒」「3年制卒」「2年制卒」のように、学んだ年数を評価する傾向があります。
高度専門士取得者は専門的な知識・技術を4年間実践的に学んでいるため、就職活動を有利に進めることができるのです。
まとめ
今回は「高度専門士」について解説しました。
高度専門士は大学卒業の学士と同等であり、また、就職の面でも優遇される称号です。4年間実践的に学んで、高度専門士の取得を目指しませんか?