データサイエンティストになるには

ビッグデータを扱う職業として、「データサイエンティスト」という言葉をよく耳にするようになりました。

このデータサイエンティストはビッグデータを活用する上でとても大切な役割を担う仕事であり、近年、急速にニーズが高まってるITエンジニア職の一つです。 そこで今回は、データサイエンティストの仕事内容について解説するとともに、データサイエンティストになるにはどうすればいいのかについても併せて解説を行っていきます。

データサイエンティストとは

みなさんは「ビッグデータ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

近年、スマートフォンやPCをはじめとした通信機器や、各種センサーなどIoT機器の発達、SNSや動画サイト、ECサイトをはじめとしたインターネットサービスの普及などにより、ネットワーク上でやりとりされるデータが一気に増加しました。この膨大なデータは「ビッグデータ」と呼ばれ、さまざまな社会問題の解決や企業活動に利用されています。 このビッグデータを分析し、ビジネスに活用するための知見を引き出すのがデータサイエンティストの仕事なのです。

具体的な仕事内容

膨大な情報であるビッグデータは、そのままでは単なるデータの集合体に過ぎません。

ビッグデータに対して統計解析や最適化といった数学的なデータ分析を行うことで、企業のビジネス戦略や、行政などが取り組む社会的な課題解決に向けた価値ある情報を引き出すことができるのです。

こうした分析を行うことがデータサイエンティストの主な仕事となります。 より具体的な仕事内容としては、以下のようなものが挙げられます。

◆要件定義
顧客となる企業の経営課題や事業課題を把握し、それを踏まえて「ビッグデータをどのよう活用するのか」といった方向性を定めるのがこの要件定義です。

◆データ収集・加工
決定した分析の方向性に応じ、ビッグデータの中から必要なデータを収集のうえ、分析を行いやすい形式に加工を行うのがこの工程です。ビッグデータ内のデータフォーマットはバラバラの形式であるため、データの分析を行いやすいようフォーマットを統一しておく必要があるのです。

◆データ分析・可視化
データの加工が済んだら次はデータ分析作業に入ります。収集したデータを解析の上、統計的に有意性のあるデータをピックアップします。その上でデータを目に見えるかたちへと可視化を行い、人間が見やすいデータに整えていきます。こうした一連の作業は、BIツール(膨大なデータを分析・可視化するソフトウエア)を用いて行うことが多い傾向にあります。

◆分析結果の検証・提言
データ分析を通じて明確化された結果を、ビジネスの課題解決などにどう活かせるのかを検討し、レポートとしてまとめるのがこの工程です。その上で顧客などに課題解決の具体的な方法を提案します。これ以降は、社内の開発チームや外部のSIer(システムインテグレータ)などと連携の上、課題解決に向けたシステム導入などの開発フェーズへと入っていきます。

データサイエンティストになるには?

そんなデータサイエンティストになるにはどうすればいいのでしょうか。

ここでは、データサイエンティストになるために必要なスキルを解説していきます。

必要なスキル

データサイエンティストの育成を目的に設立された「一般社団法人データサイエンティスト協会」と、日本におけるIT国家戦略を技術面、人材面から支えることを目的に設立された「独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)」によってまとめられた『データサイエンティストのためのスキルチェックリスト/タスクリスト概説』には、データサイエンティストになるために必要なスキルセットが詳しく記載されており、データサイエンティストを目指す上での大切な指標となります。

それによるとデータサイエンティストに求められているスキルセットは大きく分けて以下の3つとなっています。

1)ビジネス力
課題背景を理解し、ビジネス課題を整理・解決に導く力

2)データサイエンス力
情報処理・人工知能・統計学などの情報科学系の知恵を理解し使う力

3)データエンジニアリング力
データサイエンスを意味のある形として扱えるようにして、実装・運用する力

これら3つのスキルがバランスよく備わることで、はじめてデータサイエンティストとして活躍できるようになります。

しかしこれら3つのスキルを習得するためには、いずれも一定レベル以上の経験が必要とされており、未経験者がいきなりデータサイエンティストとしてデビューする、というのはまず不可能です。 よって、まずはPG(プログラマー)やSE(システムエンジニア)といったエンジニア職で経験を積み重ねていくのか一番の近道だと言えます。PL(プロジェクトリーダー)やPM(プロジェクトマネージャー)、システムアナリストといった上流工程の役割へと成長することで技術的なスキルはもちろん、「顧客の課題や要望ををキャッチしてシステムに反映させる」といったビジネス視点でのコンサルティングスキルも身に付けられるので、データサイエンティストを目指す上で大きな武器となるでしょう。

データサイエンティストの将来性は?

企業における経営課題や事業課題の解決、新たなビジネス創出、市場調査・分析、商品やサービスの品質向上、学術研究、交通インフラのマネジメントはじめ、ビッグデータは活用領域が広いことが特徴です。

そして今後も民間および行政による積極的なビッグデータ活用が進んでいくと同時に、さまざまなデータを収集するためのIoTやクラウド、より効率的な分析を行うためのAIなど、最先端の技術との連携が進んでいくことから、それを支えるデータサイエンティストも、より一層ニーズが高まっていくことが予想されます。

そういった意味では、データサイエンティストは十分に将来性のある職業だと言えます。

まとめ

いかがでしたか。

本記事をお読みなり、データサイエンティストになるための方法やその魅力に触れられることができたでしょうか。

最後に、今回の記事についてまとめてみましょう。

・データサイエンティストとは、ビッグデータを分析し、ビジネスに活用するための知見を引き出す職業

・データサイエンティストの主な仕事は要件定義、データ収集・加工、データ分析・可視化、分析結果の検証・提言など

・データサイエンティストに求められる主なスキルは「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」など

・今後も幅広い分野でビッグデータの活用が進められていくことから、データサイエンティストに対するニーズも高まっていく

本記事をきっかけに、「将来的にデータサイエンティストを目指してみよう!」という目標を描いてみてはいかがでしょうか。