ICTマネジメントとは

これからの時代において、企業が競争力を強化し生き残りを図っていくには、ICTの活用が極めて重要なカギを握ると言われています。
AIやビッグデータ活用による新たなビジネスモデルの確立や、製造現場のICT活用による人手不足問題の解消などを一例に、経営目線と豊かな発想力をもってさまざまな課題をICT活用によって解決へと導ける人材。
そんなこれからの時代に求められるICTマネジメントという仕事について解説を行っていくことにします。

ICTとは

DX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進む現代において、企業が競争力を強化し、さらなる発展を目指す上で、ICTの活用が欠かせないものとなっています。
この記事をお読みになっているみなさんも、一度は「ICT」という言葉を耳にしたことがあることでしょう。
では、このICTとはどのようなものなのでしょうか。

ICTとIT・IoTの違い

ICTとは(Information and Communication Technology)の略で、「情報通信技術」を意味する言葉です。
私たちがよく耳にする言葉にIT(Information Technology)がありますが、そのITに「コミュニケーション」を加えたのがICTです。ITは主に情報技術を指す言葉であるのに対し、ICTは情報技術を用いたコミュニケーションを意味する言葉である点で異なります。
つまり情報通信技術を用いて人と人がつながるインターネットやSNS、メール、ECサイトなどのしくみを生み出すのがICTです。

一方、ITと並んでよく耳にする言葉に「IoT」というものがありますが、これは「Internet of Things」の略称で、日本語で言えば「モノのインターネット」という意味になります。家電製品や自動車、ドローン、工場などの大規模施設の装置や設備など、さまざまなモノがインターネットにつながる技術であり、ICTと組み合わせることで新たな価値を生み出すことができます。

企業活動におけるICT活用

このICTは、企業の経営改革やビジネス改革、競争力強化を実現する上で欠かせないものとなっています。
企業を経営する上では、経営面や事業面などにおいてさまざまな課題が存在し、それらを解決することで新たな成長局面が訪れ、企業の発展につながっていきます。それを実現するのがICT活用なのです。
近年、さまざまな分野で国が主導するDX(デジタルトランスフォーメーション)によるデジタル改革が進められていますが、ICTはその中心的な役割を果たす存在であり、今日の企業改革において無くてはならない役割を果たしています。

ICT活用が企業を発展へと導く

では、ICT活用によって企業にどのような変化が訪れるのでしょうか。
ここでは企業がICTを導入することによって、どのようなメリットが生まれる可能性があるのかを解説していくことにします。

ICT活用によって起こる変化

●場所や時間にとらわれないコミュニケーションが可能に
PCやスマートフォン、タブレットなどの情報端末を用いて会社のグループウェアやSNSを通じてやり取りを行うことで、いつでもどこでも場所や時間を問わずコミュニケーションを図ることが可能となります。
たとえば日本や世界各国に事業拠点を持つ企業などの場合は、ビデオ会議システムを用いて全社会議を実施したり、オンライン商談ツールを用いて顧客との商談を行ったりといったことが行われています。また、近年のコロナ禍では、多くの企業がテレワークを導入しましたが、これもICTの一種であるZOOMやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどのビデオ会議ツールを用いることで可能となった新しい働き方です。

●生産性の向上
他の産業同様、製造業では、少子高齢化による人手不足が深刻な問題となっていますが、近年、ICTやIoT、AI技術を活用することで製造工程や品質管理工程を自動化したり効率化することで労働力不足という課題を解決しようとする取り組みがメーカーや工場などで盛んに行われています。
また、製造業だけでなく、事務などバックオフィス業務においてもRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション:ソフトウェアロボットによる業務プロセスの自動化)を用いて、データ入力や伝票作成などの定型業務を自動化する取り組みなども盛んに行わています。これもICTによる業務効率化の一つだと言えるでしょう。

●その他さまざまな分野でICTの導入が進められている
これ以外でもコンビニエンスストアなどの小売業や飲食業におけるキャッシュレス化、物流業での荷物追跡システムや輸配送管理システム、農業におけるドローンやAIを用いた無人農薬散布はじめ、さまざまな分野でICTやIoT、AIなどを活用した改革が行われており、この流れは今後より一層加速していくことは間違いありません。

ICTマネジメントとは

そんな積極的なICT活用が進められていく中で求められるいるのが「ICTをマネジメントできる人材」です。
企業がビジネスを拡大し、競争力を高めていくには、「いかにICT環境を整え、効果的に活用していくか」というICTマネジメントを行える人材が欠かせません。
ここでは、そんなICTマネジメントに対応できる人材について解説を行っていくことにします。

どのような人材が求められていくのか

企業を成長に導くICTマネジメントを実践するには、単にITの技術に精通しているだけではなく、経営目線や事業戦略目線でそこにある課題を浮き彫りにした上で、それらを解決に導けるICT活用を考えられるスキルが必要です。
たとえば何かを作って販売するようなモノづくり企業の場合なら、開発・製造工程におけるコスト削減や品質向上といった課題をIoTやAIを用いたICT活用で解決に導く方法を考えたり、販売においてもビッグデータやデータ分析、AIを採り入れたマーケティングにもとづく戦略を立案するなど、システムエンジニアの枠を超えた発想や分析力、知識が求められます。

総合的なITスキルを学べる専門学校を利用するのも手

こうしたスキルや知識を身につける上で強い味方となってくれるのがITやWEBの専門学校です。
ICTを扱うには、プログラミング技術だけでなく、ネットワーク基盤構築やサーバーなどのシステムインフラ構築、AI、機械学習、データ分析など多岐にわたる技術を用いる必要があり、さらにプロジェクトを成功へと導くマネジメントスキルなども将来的に必要となってきます。
こうしたスキルや知識はそう簡単に習得できるものではありませんし、短期間で習得できるものでもありません。
そこで強い味方となってくれるのが「ITを総合的に学べる専門学校」です。
IT・WEB系の専門学校の中には、4年制専門学校など長期的な期間を設けて総合的なITスキルを学べる学校があります。
こうした専門学校の学科では、プロジェクトマネージャーやデータアナリストなど、高度な専門スキルが求められるエンジニアになるために必要な総合的なカリキュラムが組まれており、大学同様に企業での実習や就業体験(インターンシップ)を通じて自分が目指すべき企業や仕事を明確化することができます。
また、4年制専門学校の場合は、大学卒業の「学士」と同等の資格である文部科学省認定「高度専門士」の称号が付与されるなど、社会人として武器になるステータスも手に入れることが可能です。
「本気でICTマネジメントを目指したい」という方は、こうした専門学校で多岐にわたるカリキュラムを通じて総合的なITスキルを身につけるのも一つの手だと言えます。

まとめ

以上、「ICTマネジメント」について解説を行ってきました。

今後、国を挙げてのDX推進が加速し、企業が生き残りをかけて競争力強化を図っていく中で、ICTマネジメントは大きなカギを握る仕事であり、それを担う人材への期待はより大きなものとなっていくことでしょう。

企業における経営課題や事業戦略上の課題を経営者視点で浮き彫りにし、それをICTを駆使して解決へと導き、さらなる成長局面を生み出していくICTマネジメントは、情報系ビジネスだけでなく、あらゆる産業で欠かせないものとなっています。

こうしたICTマネジメントを行うには、プログラミングやシステムアーキテクト系のスキルに加え、マネジメントスキルなども求められることから決して簡単な仕事ではありませんが、4年制専門学校のような総合的なITスキルを学べる学校もあり、そこでICTマネジメントの基礎を身につけるのもいいでしょう。それによって、これからの時代に必要とされる人材への道が大きく拓かれていくことになるはずです。

最後に、今回の記事を簡単にまとめてみることにします。

●ICTは、企業の経営改革やビジネス改革、競争力強化に欠かせない要素
●ICTによって何が変わるのか
・場所や時間にとらわれないコミュニケーションの実現
・生産性の向上
・さまざまな分野でICT導入が進められている
●そんなICT活用をリードしていくのが「ICTマネジメント」
・経営目線で課題を浮き彫りにし、ICTで解決へと導ける人材が求められていく
・4年制専門学校などで総合的なITスキルを学ぶのも手


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