ホームページをデザインの上、作成を行うWebデザイナー。
Web制作会社所属のWebデザイナーもいれば、フリーランスとして活動するWebデザイナーも少なくはなく、働く場所を選ばず、自由な働き方ができる人気の職業です。
ここではWebデザイナーの具体的な仕事内容を紹介しつつ、Webデザイナーになるための方法について解説していきます。
Webデザイナーとは
企業や個人からの依頼にもとづき、ホームページなどのWebサイトを制作するのがWebデザイナーの仕事です。
制作プロダクションに所属して仕事を行う場合と、フリーランスとして仕事をする場合などがありますが、基本的な仕事の流れなどは共通です。
ここでは、そんなWebデザイナーの具体的な仕事内容について、説明を行っていくことにします。
具体的な仕事内容
Webデザイナーの仕事内容ですが、大きく分けて、「ヒアリング」「ワイヤフレーム(骨組み)の作成」「デザイン」「コーディング」「テスト」といった工程からなっています。以下でそれぞれについて説明を行います。
●ヒアリング
クライアントとの打ち合わせを通じて、「どのような目的でWebサイトを作りたいのか」「どのような人をターゲットにしているのか」 といった要件を抽出し、それを踏まえて具体的なWebサイトのイメージを明確化します。
既存Webサイトのリニューアルの場合は、ヒアリングを通じて使い勝手の問題点やアクセス数の低下など課題を明確にし、それを改善に導くためのリニューアルのプランを固めていきます。
●ワイヤフレームの作成
まずはサイト全体のページ構成を決め、その上でワイヤフレームを作成します。ワイヤフレームとはWebサイトの骨組みとなるデザイン案であり、大まかな画面やメニュー、ヘッダー、フッターなど、画面を構成する要素を決めていきます。これに従い、Webサイト制作が進められていきます。
●デザイン
この工程ではWebサイトの具体的なデザインを行います。サイト全体のデザインにはじまり、バナーやメニュー、ロゴ、ページ内で用いる画像等を作成していきます。
バナーやロゴはAdobe Illustratorなどのグラフィック作成ソフトやAdobe Photoshopなどのフォトレタッチソフトを用いるのが一般的です。画像はインターネット上の素材を用いるほか、必要に応じて自分たちで撮影を行う場合もあります。
●コーディング
デザインしたWebサイトが正しくWebブラウザで表示されるよう、HTMLやCSSといったホームページ記述用のマークアップ言語を用いてプログラムを行って行く作業です。
アニメーションやポップアップ画面など動的なエフェクトが必要であればJavaScriptのようなWebブラウザ上で動作するプログラミング言語を用います。
また、PCで閲覧した場合だけでなく、スマートフォンやタブレットなど閲覧した場合にも、スマートデバイス用に最適化された表示が行われるよう、端末に応じた最適化を行うことも大切です。
●テスト
完成したWebサイトが設計通りに表示されるか、リンクが正しいページに遷移するか、また誤字など表記上のミスがないかをテストします。この際、PCでの表示だけでなくスマートフォンやタブレットで閲覧した場合も正常に表示され操作できるかをチェックします。
これらのチェックが完了し、問題がないようであれば、クライアントにチェックを行ってもらい、納品となります。
Webデザイナーの働き方
働く場所を選ばず、自由かつ柔軟な働き方ができるのもWebデザイナーの特徴です。
ここではそんなWebデザイナーの働き方について説明を行っていきます。
働き方の種類
●正社員
Web制作会社などの正社員としての働き方です。
正社員なので安定した収入と雇用が保証されており、福利厚生なども受けられるのが魅力だと言えます。フルタイム勤務が基本ですが、会社の方針によりフレックスタイム勤務や在宅ワークが可能だったりと、自分に合った働き方を選択できる場合もあります。
また、ある程度の規模のプロダクションの場合は、社内のWebディレクターや他のWebデザイナー、プログラマーたちと連携しながら働けるので、問題解決のスピードも速く、複数の意見やアドバイスを採り入れることで質の高いノウハウを積み重ねることができます。
●フリーランス
Webデザイナーとして一定レベル以上の実績がある場合は、そのスキルと経験を活かし、フリーランスとして仕事をするという道を選ぶこともできます。
フリーランスのメリットは、自分のレベルや興味に応じた案件を選ぶことができる点に加え、勤怠管理を受けない分、自由に時間を使うことができる点にあります。また、スキルレベルに応じて、正社員より高い収入を得ることも可能です。
逆にデメリットとしては給料の保証がないだけに、安定した収入を確実に得らない可能性がある点が挙げられます。
●派遣
「フリーランスとしてやっていけるスキルはあるけど、安定した案件を得たい」という場合は、人材派遣会社に登録し、派遣という形態で仕事をすることもできます。
メリットとしては自分のスキルレベルや希望する収入という条件に適った仕事ができることと、一つの組織に縛られない働き方ができる点にあります。
デメリットとしては、定期的に派遣先が変わるので、異なる文化や環境に適応し、新たな人間関係を築いていかなければならない点が挙げられます。
Webデザイナーになるには
では、Webデザイナーになるためにはどうすればいいのでしょうか。
Webデザイナーになるにあたり、特殊な資格は必要ではありませんが、一定レベル以上の知識やスキルは必要です。よって、未経験の方は、まずは基礎を身につけることを前提にWebデザイナーへの道を考えるのがいいでしょう。
ここでは、未経験の方を想定し、Webデザイナーを目指すにあたり、どのような方法でスタートすればいいのかについて説明を行っていきます。
Webデザイナーとしてスタートするには
●専門学校で基礎を習得
まったくの未経験で知識もない場合は、Webデザインを学べる専門学校などに通い、必要なスキルを習得する、という方法があります。専門学校だけにレベルに応じた体系的なカリキュラムが用意され、専任講師が丁寧に指導を行ってくれるのがメリットです。また、Webデザインに必要なツール類の使い方なども一から教えてもらえます。
●新卒入社からスタート
新卒採用などでWeb制作を行う会社に入社し、Webサイト制作を経験しながら経験を積み重ねていく、というのも一つの手です。実務なので否が応にも必要な基礎が身につきます。また、実際にクライアントから要件をキャッチしてのWebサイト制作を1から学べるのも魅力だと言えます。
●独学で必要な基礎を身につける
独学で必要な基礎を身につける、という方法もあります。
Webデザインに関する入門書籍を読んだり、「Youtube」などの動画サイトでWebデザインの勉強法に関する動画を視聴したり、Webデザインの有料オンラインスクールを利用するなど、さまざまな方法で必要な基礎を身につけることができます。
これらがWebデザイナーとしての第一歩を踏み出すための主なスタート方法です。
何よりも大切なのは「まずはやってみること」。それゆえ、まずは自分に合った方法で第一歩を踏み出してみてください。
Webデザイナーの将来性
Webの世界は日進月歩で技術革新が進み、次々と新たなコンテンツやサービスが生まれるスピードの速い世界です。当然、Webサイト制作のニーズは今後も増加していくことが予想され、それを支えるWebデザイナーも一定以上のニーズがあるでしょう。
今後、AIやWeb制作ツール等の進化により、Webサイト制作の自動化が進んでいくかもしれませんが、Webデザインの根幹は人間が握るものであり、クライアントの意向を汲み取り、それを的確にWebデザインに落とし込んでいく、という作業は人間でしか行なえないことから、Webデザイナーは将来性のある職業だと言えます。
まとめ
以上、Webデザイナーについて解説を行ってきました。
最後に、今回の記事についてまとめてみることにします。
・Webデザイナーは企業や個人からの依頼にもとづき、ホームページなどのWebサイトを制作するクリエイターのこと。
・Webデザイナーの仕事は、「ヒアリング」「ワイヤフレームの作成」「デザイン」「コーディング」「テスト」などが主な工程となる。
・Webデザイナーの働き方には、「正社員」「フリーランス」「派遣」などがある。
・Webデザイナーとしてスタートするには、「専門学校で基礎を学ぶ」「Web制作会社に入社して実務を通じてスキルを習得する」「独学で必要な基礎を身につける」などがある。
・Webデザイナーの将来性は、今後も新たなWebコンテンツやサービス生まれていくため、一定以上のニーズが予想される点で明るい。
ぜひ、本記事をきっかけに、「Webのデザイナーとしてキャリアを重ねていく」という目標を描いてみてはいかがでしょうか。