みらいのAI(人工知能)を考える

数あるIT技術の中でも、特に大きな成長が期待されるAI(人工知能)。
そんなAIはスマートフォンの音声アシスタントやさまざまなWEBサービス、自動車の自動運転など、私たちの生活に大きな利便性をもたらせてくれています。さらに東京や大阪、福岡などの大都市では、AIを用いたさまざまな社会実験が進められるなど、AIは急速に進化を遂げようとしています。そしてAIは今後もさらに進化し、2045年にはAIが人間の知能を超え、私たちの生活や社会に大きな変化をもたらすと言われています。
その中でいま、「AI時代を見据えた教育の重要性」が大きく高まっています。

今回は、そんな「みらいのAI教育」をテーマに、AI時代を生き抜いていくための教育について解説を行っていきます。

私たちの身の回りにはAIが溢れている

私たちの身の回りにはAIが溢れています。
AIとは人工知能(Artificial Intelligence)のことを意味し、数あるIT技術の中でも特に注目を浴びている技術の一つです。
たとえばスマートフォンの「AIアシスタント」や、ロボット掃除機のように自律的に考え動く「AI家電」、自動車の自動運転機能、さらには農業や製造業など産業の現場においても自動化や省人化においてAIが積極活用されています。

私たちの生活を支えるAIの一例

●AIアシスタント
iPhoneに搭載されている「Siri」、Android端末でおなじみの「Googleアシスタント」、Amazonの家庭用端末などに搭載されている「Alexa」など、語りかけることで端末を操作できたり、調べ物をしてくれるAIです。

●AI家電
部屋の空間や家具の配置等を把握した上で、自律的に動いて掃除を行う「お掃除ロボット」、洗濯物の内容や状態に応じて最適な洗濯コースを提案してくれる「AI搭載洗濯機」、天気予報と連動して効率的な運転を行う「AI自動運転エアコン」など、家電製品の世界でもAI活用が進んでいます。

●コミュニケーションロボット
犬や猫など動物のような動きや反応を行う「ペットロボット」や、会話を行ったり、会話の内容に応じてジェスチャーを行う「コミュニケーションロボット」など、人間とのコミュニケーションに特化したロボット製品でも、AIが欠かせない技術として搭載されています。

●WEBサービス
動画サイトやSNS、ECサイトなどのWEBサービスでは、AIが利用者の志向や行動を分析し、それに合わせた最適化されたコンテンツや広告を表示しています。私たちが利便性を感じられるもっとも身近なAI技術だと言えます。

産業の世界でもAI活用が進んでいる

また、製造業や農業をはじめとしたさまざまな産業の世界でもAIの活用が進んでいます。
たとえば農業では、ドローンを用いて圃場(農作物を育てる場所)を空撮の上、農薬散布が必要な場所とそうでない箇所をAIが判別の上、必要な箇所だけに農薬散布を行うことでコストや負担を軽減しています。
製造業においても製造された製品の不良品判別や、製造設備の故障予知などにAIが用いられ効率化や自動化を実現しているほか、金融業における投資分野でもAIが世界中のマーケット予測を行った上で、利用者の投資プランに応じて最適な銘柄を提案したり、自動的な売買や保有銘柄管理まで行ってくれるなど、AI活用が急速に進んでいます。
これに加え、JR東日本では東京駅のタクシー乗り場の混雑状況をAIが分析し、待ち時間を予測の上、スマートフォンやWEBに表示するような試みも行われるなど、東京をはじめとした大都市にて、盛んにAIを用いた社会実験が行われています。

AIのみらい

このように、AIは私たちの生活に浸透し、さまざまな利便性をもたらせてくれたり、社会機能を支える上で無くてはならない役割を果たしています。その進化と普及のスピードは目覚ましいものがあり、超高齢社会の加速による労働人口の不足をはじめとした社会的な課題の解決においても、今後より一層大きな役割を果たしていくことでしょう。

そこで気になるのはその先、すなわち「みらいのAIはどうなっていくのか」という点です。

AIのみらいを左右する「2045年問題」

そんなAIのみらいを語る上で、話題に上ることが多いのが「2045年問題」です。

この2045年問題とは、このままAIテクノロジーの進化が続くことで、人工知能が人間の知能を超え、それによって私たちの生活や社会に大きな変化が生じる「シンギュラリティ」(技術的特異点)を迎える時期を意味する言葉です。

現時点においても、AIは計算能力や大量のデータからなにかを類推する能力などにおいて人間の能力を凌駕していますが、2045年には考える力や想像する力、学ぶ力など、人間ならではの「知能」をAIが超えてしまうのではないか、と言われています。

シンギュラリティによって何が変化するか

このシンギュラリティによって仕事の内容が変わったり、ある分野では人間が行う仕事がなくなったりといった変化が予想されています。

これに加え、「教育」の世界にも大きな変化が生じると考えられています。

すでに教育の現場では、教師が黒板に要点を書き、それを生徒たちがノートにまとめるといった旧来の方法から、スマートフォンやタブレットを活用した「GIGAスクール教育」が導入されはじめていたり、さまざまな書籍をAI技術である深層学習(ディープラーニング)によって、より子どもたちにわかりやすく改善を行うなどの取り組みが行われています。

こうした時代の中、これからの教育では、「身の回りにAIがあることが当たり前」であることを前提に、目まぐるしく変化するAI時代を生き抜いていくための取り組みが必要とされています。

「AIを使う側」になるための教育

そんなシンギュラリティを見据えた新たな教育として注目されているものに「STEAM(スティーム)教育」というものがあります。
このSTEAMは、
S(Science:科学)
T(Technology:技術)
E(Engineering:工学)
A(Art:芸術)
M(Mathematics:数学)
の5つの学問を統合的に学ぶことで、「AIを使う側」に立つための知識や技術力、発想力、創造力を得るという新たな時代の教育の枠組みであり、日本では文部科学省の主導により、このSTEAM教育の推進が行われています。

ここで注目すべきは、「AIに使われる側」ではなく、「AIを使う側」に立つための教育であるという点です。いくらAIが進化し、その知能が人間を上回ったとしても、あくまでもAIの手綱を握るのは人間であり、そのための人材育成を主眼に置いた教育がSTEAMであると同時に、本記事のテーマでもある「みらいのAI」だと言えるのです。
そういった意味ではAI教育に重点を置いたIT系の専門学校で、みらいを見据えたAIを学ぶことは、来るシンギュラリティ時代に向け、大きな武器を身につけることにつながります。これからの進路について悩んでいるような方や、ITの世界を志そうと思っているような方は、そんな選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

以上、「みらいのAI」というテーマで解説を行ってきました。
今後、AIはより一層、私たちの生活を便利にしたり社会を変化させながら2045年のシンギュラリティ時代へと突入していくことでしょう。
そんな時代の中で、価値ある人材として生き残っていくためには、シンギュラリティを見据えたAI教育を積極的に学んでいくことが大切です。

まとめ

最後に、今回の記事をかんたんにまとめてみることにします。

●私たちの身の回りにはすでにAIが溢れている。
・AIアシスタント
・AI家電
・コミュニケーションロボット
・WEBサービス

●産業の世界でもAI活用が進んでいる
・農業
・製造業
・金融業
はじめさまざまな分野でAI活用が進んでいる

●AIのみらい
・AIのみらいを左右する「2045年問題」
・シンギュラリティに変化するもの
・「AIを使う側」になるための教育が求められていく


▶トップページに戻る

本校で学べる学科